●ギレン・ザビ【ジオン公国軍総師:大将 ザビ家:長男】


ギレン・ザビ

「父上、今は戦時下ですぞ。国民の戦意高上をより確かなものにするためにも国をあげての国葬こそ、最もふさわしいはず。ガルマの死は、ひとりガルマ自身のものではない、ジオン公国のものなのです。」

機動戦士ガンダム(一年戦争)第11話「イセリナ、恋のあと」



「我々は、ひとりの英雄を失った。しかし、これは敗北を意味するのか。否、はじまりなのだ。地球連邦に比べ我がジオンの国力は30分の1以下である。にもかかわらず、今日まで戦い抜いてこられたのはなぜか。諸君、我がジオン公国の戦争目的が正しいからだ。
 一握りのエリートが宇宙にまで膨れあがった地球連邦を支配して50余年、宇宙に住む我々が自由を要求して何度連邦に踏みにじられたかを思いおこすがいい。ジオン公国の掲げる人類ひとりひとりの自由のための戦いを神が見捨てるわけはない。私の弟、諸君らが愛してくれたガルマ・ザビは死んだ。なぜだ。
 戦いはやや落ち着いた。諸君らはこの戦争を対岸の火と見過ごしているのではないのか。だが、それは罪深い過ちである。地球連邦は聖なる唯一の地球を穢して生き残ろうとしている。我々は、その愚かしさを地球連邦のエリートどもに教えねばならんのだ。ガルマは、諸君らの甘い考えを目覚めさせるために死んだ。
 戦いはこれからである。我々の軍備は、ますます整いつつある。地球連邦軍とて、このままではあるまい。諸君の父も兄も、連邦の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ。この悲しみも怒りも、忘れてはならない。それをガルマは、死をもって我々に示してくれたのだ。
 我々は今、この怒りを結集し、連邦軍にたたきつけて、はじめての真の勝利を得ることができる。この勝利こそ、戦死者すべてへの最大の慰めとなる。国民を立て。悲しみを怒りに変えて、立てよ国民。ジオンは諸君らの力をほっしているのだ。ジーク・ジオン」

機動戦士ガンダム(一年戦争)第12話「ジオンの脅威」



「そう、君は自分でも気づかぬ才能をもっている。もっとも、ニュータイプのことはまだ未知の部分が多いのだが、それを役立ててほしい。今度の大戦では、もう人が死に過ぎた。」

機動戦士ガンダム(一年戦争)第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」



「せっかく減った人口です。これ以上増やさずに優良な人類だけを残す、それ以上に人類の永遠の平和は望めません。そして、そのためにはザビ家独裁による人類のコントロールしかありません」

機動戦士ガンダム(一年戦争)第40話「エルメスのララァ」



「はい。絶対民主制は連邦ごとき軟弱を生むだけです。それでは人類は共食いになります。今度の戦争のように。
ま、勝ってみせます。
ヒットラーの尻尾の戦いぶり、ご覧ください。
わたくしはア・バオア・クーで指揮をとります」

機動戦士ガンダム(一年戦争)第40話「エルメスのララァ」



「老いたな、父上。
時すでに遅いのだがな」

機動戦士ガンダム(一年戦争)第41話「光る宇宙」



「我が忠勇なるジオン軍兵士たちよ。今や地球連邦軍艦隊の半数が我がソーラ・レイによって宇宙に消えた。この輝きこそ我がジオンの正義の証である。
決定的打撃を受けた地球連邦軍にいかほどの戦力が残っていようと、それはすでに形骸である。あえて言おう、カスであると。
 それら軟弱の集団が、このア・バオア・クー抜くことはできないと私は断言する。人類は、我ら選ばれた優良種たるジオン国国民に管理・運営されて、はじめて永久に生き延びることができる。これ以上戦い続けては人類そのものの危機である。地球連保の無能なる者どもに思い知らせてやらねばならん、今こそ人類は明日の未来に向かって立たねばならぬときである、と」

機動戦士ガンダム(一年戦争)第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」